Web制作コラム
WordPressのPHPバージョンアップ|確認方法・切り替えの手順と、止まったときの戻し方
PHPの切り替えはサーバーの管理画面から数分でできますが、古いテーマやプラグインがあると表示が真っ白になります。いまのバージョンの確かめ方、どこまで上げるか、止まる原因、切り替えの手順と戻し方をまとめます。

PHPは、WordPressを動かしているプログラムの言語です。レンタルサーバーでは、どのバージョンのPHPでサイトを動かすかを管理画面から選べるようになっていて、切り替え自体は数分で終わります。
難しいのは、切り替えたあとです。古い書き方のテーマやプラグインが新しいPHPで動かず、サイトが真っ白になることがあります。切り替える前に確かめておくことと、止まったときの戻し方を順に説明します。
いまのPHPのバージョンを確かめる
WordPressの管理画面で、「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」タブを開き、「サーバー」の項目を見ると、PHPのバージョンが書かれています。古いPHPを使っている場合は、ダッシュボードに「PHPの更新が必要です」といった警告が出ることもあります。
サーバーの管理画面でも確かめられます。サーバー会社によって、ドメインごとに選べるもの、サーバー全体で1つのものがあります。
PHPのサポート期限
PHPは、バージョンごとに開発元のサポート期限が決まっています。期限が過ぎると、脆弱性が見つかっても修正版が出ません。2026年10月29日時点の状況です。
| バージョン | セキュリティ修正の期限 | 状態 |
|---|---|---|
| 8.1以前(7.4 / 8.0 など) | 終了 | サポート切れ。早めの切り替えが必要 |
| 8.2 | 2026年12月31日 | まもなく終了 |
| 8.3 | 2027年12月31日 | セキュリティ修正のみ |
| 8.4 | 2028年12月31日 | 通常のサポート中 |
| 8.5 | 2029年12月31日 | 通常のサポート中 |
※ 横にスクロールできます
WordPress は PHP 8.3 以上を推奨しています。いま 8.2 以前を使っているなら、8.3 以上への切り替えを考える時期です。8.2 に上げても、2か月あまりでサポートが終わります。
どのバージョンまで上げるか
基本は、お使いのサーバーで選べるもののうち、WordPressの推奨(8.3以上)を満たし、テーマとプラグインが対応しているバージョンです。最新が選べるからといって、最新にするのが正解とは限りません。
新しいバージョンほど良い、というわけでもありません。8.5 のように出てから日が浅いバージョンは、まだ見つかっていない不具合が残っている可能性があります。テーマやプラグインの作者が、そのバージョンで動くかを確かめきれていないことも多いです。サポート期限に十分な余裕があり、利用者が多く不具合が出尽くしたバージョン(2026年10月時点なら 8.3 か 8.4)を選ぶのが、業務のサイトでは無難です。
プラグインの対応状況は、WordPress.org の各プラグインのページに出ている「PHPバージョン ○○ 以上」で確かめられます。ただしこれは「最低限必要なバージョン」で、「新しいPHPで動くことを確かめた」という意味ではありません。長く更新されていないプラグインは、新しいPHPで動かないことがあります。
PHP 7系から8系で止まる、よくある原因
PHP 8.0 では、それまで警告で済んでいたものがエラーになったり、古い命令が削除されたりしました。古いテーマやプラグインで止まるのは、多くがこのあたりです。
削除された命令が残っている
昔のテーマでよく使われていた create_function や each は、PHP 8.0 で削除されました。残っていると、その行で処理が止まります。
PHP 8 で止まる書き方の例
$callback = create_function('$a', 'return $a * 2;');
while (list($key, $value) = each($array)) { ... }配列以外を count に渡している
count に配列以外(値が入っていない変数など)を渡すと、7系では警告が出るだけでしたが、8系ではエラーで止まります。
文字の取り出しに波かっこを使っている
文字列の1文字目を取り出す $str{0} という書き方は、PHP 8.0 で使えなくなりました。$str[0] に直します。
定義されていない定数を使っている
7系では、定義されていない定数を書くと、その名前の文字列として扱われ、警告が出るだけでした。8系ではエラーになります。
多くは数行の修正で直ります。ただし、テーマやプラグインのファイルを直接直した場合、そのテーマやプラグインを更新すると修正が消えます。購入したテーマなら、まず新しい版が出ていないかを確かめてください。
切り替えの手順
- バックアップを取る(ファイルとデータベースの両方)
- WordPress本体・プラグイン・テーマを、いまのPHPで更新できるところまで更新する
- テスト環境で新しいPHPに切り替え、エラーを記録する設定にする
- 主要なページ、お問い合わせフォームの送信、管理画面の操作を確かめる
- エラーが出た箇所を直す、またはプラグインを置き換える
- テスト環境で問題がなくなってから、本番のPHPを切り替える
- 切り替えた直後に、もう一度表示とフォームを確かめる
テスト環境でエラーを記録するには、wp-config.php に次の設定を入れます。画面には出さずに、wp-content/debug.log にエラーが書き込まれます。
wp-config.php(テスト環境のみ)
define( 'WP_DEBUG', true );
define( 'WP_DEBUG_LOG', true );
define( 'WP_DEBUG_DISPLAY', false );この設定は本番に入れたままにしないでください。debug.log は外から見られる場所に作られるため、サイトの内部の情報が漏れるおそれがあります。確認が終わったら外し、debug.log も削除します。
切り替えたら止まったときの戻し方
PHPを切り替えた直後に表示が真っ白になったら、まずサーバーの管理画面で元のバージョンに戻します。ファイルやデータベースは変わっていないので、多くの場合はこれで元どおり表示されます。原因を調べるのは、表示を戻してからで構いません。
WordPressには、重大なエラーで止まったときに、管理者のメールアドレスへ知らせる仕組みがあります。届いたメールには、原因になったプラグインやテーマの名前と、その部分を止めた状態で管理画面に入るためのリンクが書かれています。止まったら、管理者のメールを確認してください。
自分でやるのが難しい場合
テーマを独自に作り込んでいる、何年も更新していない、サーバー会社の切り替え期限が迫っている、といった場合は、専門の業者に頼むほうが早く確実です。
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