Web制作コラム

EC-CUBEにチャットボットを設置する|Grip Chatbotの使い方

やり方・手順

EC-CUBE 用のチャットボットプラグイン「Grip Chatbot」の導入から、シナリオ作成・表示ルール・リードの管理までを、実際の管理画面の表記に沿って説明します。AI 機能と grip space 連携(どちらも任意)の使い方もまとめました。

ショップの画面の隅にチャットのアイコンを出し、選択肢で用件を聞いて、最後に連絡先を受け取る。この形のチャットボットは、外部のチャットサービスを契約しなくても、EC-CUBE のプラグインで作れます。

この記事では、チャットボットプラグイン「Grip Chatbot」の使い方を、インストールから順に説明します。メニュー名やボタン名は、プラグインの管理画面の表記に合わせています。

Grip Chatbot は、当サイト(ワプラボ)を運営する ibis studio株式会社が開発・販売しているプラグインです。オーナーズストアでは「ノーコードでチャットボット(シナリオ会話)を作成・配信するプラグイン」という名称で掲載しています。他の選択肢との違いは、比較記事で別にまとめています。

動作環境

  • EC-CUBE 4.2系/4.3系(販売ページの対応バージョンの記載)
  • PHP 8.1以上(販売ページの記載)
  • AI 機能を使う場合のみ、Google の Gemini API キー
  • grip space 連携を使う場合のみ、grip space のアカウント(連携キー)

EC-CUBE 4.0系・4.1系では動きません。オーナーズストアの対応バージョンは 4.2系(4.2.0〜4.2.3-p2)と 4.3系(4.3.0〜4.3.1-p1)で、PHP 8.1以上が必要です。

インストールと有効化

手順は EC-CUBE 4 のプラグイン共通です。オーナーズストアで購入したものを入れるか、ファイルをアップロードし、インストールしたあとに有効にします。

  1. EC-CUBE オーナーズストアで購入する
  2. 管理画面の「オーナーズストア」→「認証キー設定」で、認証キーを登録する(登録済みなら不要)
  3. 「オーナーズストア」→「プラグイン」→「プラグインを探す」から、購入済みのプラグインをインストールする
  4. 「プラグイン一覧」で有効にする

ファイルから入れる場合は、「プラグイン一覧」の「アップロードして新規追加」を使います。有効にすると、左メニューに「チャットボット」が増えます。

メニューできること
チャットボット作成したチャットボットの一覧(grip space 未連携のもの)。編集・公開の切り替え・削除
連携済みチャットボットgrip space に連携したチャットボットの一覧と、表示・開封・回答の集計
新規追加テンプレートを選んで新しいチャットボットを作る
リードチャットボットのフォームから届いた送信内容
設定grip space との連携設定と、AI 機能(Gemini)の設定

※ 横にスクロールできます

チャットボットを作る

「新規追加」を押すと、テンプレートが2つ出ます。

  • チャットボット(基本) … 選択肢・テキスト入力・フォームを組み合わせて、会話の流れを自分で設計する
  • AI Q&A チャットボット … アップロードした PDF の内容をもとに、AI が訪問者の質問に答える(Gemini API キーが必要)

選ぶと編集画面が開きます。作った直後は非公開なので、この段階ではまだショップには出ません。編集画面は「1 シナリオ」「2 ルール」の2段階です。

1. シナリオ

会話の流れを、ステップをつないで作ります。ステップの種類は次の6つです。

ステップ内容
メッセージボットが文章を表示する
選択肢ボタンを並べ、押されたボタンごとに次のステップへ分岐する
テキスト入力訪問者に自由に入力してもらう(テキスト・メール・電話・URL)
リード獲得フォーム名前・メールアドレスなどの入力欄をまとめて出し、送信してもらう
リンクボタン指定したページへのボタンを表示する
AI Q&APDF をもとに AI が回答する

※ 横にスクロールできます

ステップをクリックすると編集でき、「+」ボタンで次のステップを足したり、分岐させたりできます。別の分岐の途中に合流させることもできます。右側のプレビューで、実際の会話の見え方を確認しながら進めます。

同じ画面で、見た目も設定します。

  • チャットアイコン … 色・大きさ・表示位置(右下・左下・右上・左上)・挨拶メッセージ
  • 視認性 / アニメーション … パルスアニメ、通知バッジ、登場アニメ、挨拶バブルの自動表示(既定はすべてオフ)
  • デザイン … ウィンドウのタイトルと色、角の丸み、影
  • アバター … なし、またはアップロードした画像
  • メール送信設定 … 管理者宛のメールと自動返信メール(後述)

2. ルール

いつ、どのページに出すかを決めます。

  • トリガー … 「最初から表示」「スクロールしたら表示」「滞在したら表示」「離脱時に表示」から選ぶ
  • 表示期間 … 開始と終了の日時を決めて、その間だけ出す
  • 表示するページURL … URL を登録したページにだけ出す。「前方一致」にチェックすると、その URL で始まるページすべてが対象になる

表示するページの URL は、1件以上登録してください。現在のバージョンでは、URL が1件もないチャットボットはショップに表示されません。全ページに出したい場合は「/」を登録して「前方一致」にチェックを入れます。

「離脱時に表示」は、マウスが画面の上端から外に出た動きで判定します。マウスを使うパソコン向けの設定で、スマートフォンではこの条件では表示されません。

都道府県で表示する相手を絞る設定もありますが、これは grip space 連携時に、契約プランによって使える機能です。

公開する

編集画面上部の「公開」スイッチをオンにして保存するか、一覧の「公開する」を押します。公開中のチャットボットは、管理画面以外のショップのページで、ルールに合うページに表示されます。テーマのテンプレートを編集する必要はありません。

リードとメール

リード獲得フォームから送信された内容は、EC-CUBE の中に保存されます。左メニューの「リード」を開くと、チャットボットごとの件数と最終送信日時が並び、チャットボット名から一覧と詳細を開けます。詳細では、送信内容に加えて、送信したページの URL と、それまでの会話のやり取りも確認できます。

メールは、編集画面の「メール送信設定」で、管理者宛のメールと自動返信メールを個別にオンにします。

  • 管理者宛の送信先を空欄にすると、EC-CUBE の基本設定の「送信元メールアドレス(From)」宛に送られます。複数指定はカンマ区切りです
  • 自動返信は、会話の中で受け取った訪問者のメールアドレス宛に送られます
  • 件名と本文では {values}(送信値)、{conversation}(会話ログ)、{page}(ページURL)が使えます。空欄なら既定の文面になります

メールの送信には EC-CUBE 本体と同じ送信の仕組みを使います。メールが届かなくても、リードは管理画面に残ります。

AI 機能を使う(任意)

AI 機能は、Google の Gemini API を使います。先に「設定」の「AI 機能(Gemini)」で API キーを登録してください。キーは Google AI Studio で取得できます。登録したキーはサーバー側だけで使われ、ショップの画面には出力されません。

AI Q&A

AI Q&A のステップに PDF をアップロードしておくと、訪問者の自由な質問に、AI がその資料だけを根拠に回答します。回答のトーン(フォーマル・カジュアル・フレンドリー)と、最大回答数を決められます。最大回答数に達したあとは、お問い合わせページなどへのボタン(CTA)を表示します。API キーを登録するまでは、訪問者には CTA のボタンが表示されます。

AIでシナリオを生成

「AIで生成」から、サイトURL・目的・収集したい情報などを入れると、会話の流れの下書きを作れます。生成した内容は、今のステップと置き換えるか、後ろに追加するかを選べます。生成には1分ほどかかることがあります。

AI 機能を使うと、訪問者の質問やアップロードした PDF の内容が Google の API に送られます。API の利用条件や料金は Google 側の案内を確認してください。個人情報や社外秘の資料は PDF に含めないでください。

grip space と連携する(任意)

grip space は、BtoB 向けのアクセス解析・営業支援のサービスです。連携しなくても、チャットボットの作成・表示・リード・メールはすべて使えます。

  1. 「設定」を開き、grip space で発行した連携キーで接続する。使っていない場合は、同じ画面から grip space のフリープランに登録して接続する
  2. 「チャットボット」の一覧で、連携したいチャットボットの「grip連携する」を押す
  3. 連携したチャットボットは「連携済みチャットボット」に移り、grip space の計測タグ経由で表示・計測される

チャットボットを連携すると、アクセス計測が自動で有効になります。「連携済みチャットボット」では、表示・開封・回答の数を期間を指定して確認できます。

チャットボットの連携は、grip space の契約プランによって使えない場合や、件数に上限がある場合があります。その場合は管理画面に案内が表示されます。

連携を有効にすると、設定に応じてアクセス計測データやフォームの送信内容が grip space のサーバーへ送られ、保存されます。当社のフォームプラグインなど、grip space に連携するプラグインを複数入れている場合は、すべて同じサイト(同じアカウント)に連携してください。連携先が違うと、管理画面に警告が出ます。

プラグインを無効にすると、grip space 側で配信していた連携済みチャットボットは非表示になります。データは残るので、有効に戻せば公開中のものから再び表示されます。

公開前に確認したいこと

  1. ルールに URL を登録したページで、実際にアイコンが出るか
  2. スマートフォンで、アイコンや挨拶バブルがカートボタンなどに重なっていないか。重なる場合は表示位置を変える
  3. 会話を最後まで進め、リードが「リード」メニューに入るか
  4. 管理者宛メールと自動返信メールが、自分のアドレスに届くか
  5. AI 機能を使う場合、PDF にない質問をしたときの答え方と、最大回答数に達したあとの CTA

最初から全ページに出すより、問い合わせにつながりやすいページ(料金や配送の案内、法人向けの案内など)に絞って出し、反応を見てから広げるほうが、訪問者の邪魔になりにくく、効果も比べやすくなります。

まとめ

  1. インストール後に有効化すると「チャットボット」メニューが増える
  2. テンプレートを選び、シナリオ(会話)とルール(どこに・いつ出すか)を決める
  3. 表示するページの URL は必ず1件以上登録する。全ページなら「/」を前方一致
  4. フォームの送信はリードとして EC-CUBE に保存され、メール通知もできる
  5. AI 機能と grip space 連携は任意。AI は自社の Gemini API キーで動く

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