Web制作コラム

WordPressのチャットボットプラグイン比較|シナリオ型・AI型・有人チャットの違いと選び方

比較・選び方

WordPress で使えるチャットボットのプラグイン4つを、シナリオ型か AI 型か、無料でどこまで使えるか、外部アカウントの要否、問い合わせの保存先で比較しました。選ぶ前に決めておきたいことも整理しています。

WordPress にチャットボットを置く方法はいくつもあります。ただ、同じ「チャットボット」でも、決めた流れで案内するもの、AI が文章で答えるもの、担当者がリアルタイムで返信するものでは、必要な準備も費用もまったく違います。

この記事では、WordPress.org で配布されている4つのプラグインを、2026年10月時点の公式情報をもとに比較します。

比較対象のうち「Chatbot by gripspace」は、当サイト(ワプラボ)を運営する ibis studio株式会社が開発しています。自社製品を含む比較であることを先にお断りしておきます。他社の情報は各社の公式ページと WordPress.org の掲載内容にもとづく記載で、各社との取引関係はありません。

チャットボットは3つの型に分かれる

型仕組み向いている用途
シナリオ型あらかじめ決めた質問と選択肢で会話を進める用件の振り分け、資料請求や問い合わせへの誘導
AI 型登録した資料やサイトの内容をもとに、AI が自由な質問に文章で答える質問の種類が多い FAQ、営業時間外の一次対応
有人チャット担当者が管理画面やアプリからリアルタイムに返信する購入前の相談、サポート窓口

※ 横にスクロールできます

最近のプラグインは、この3つを組み合わせて提供していることが多いです。選ぶときは「どの型が無料で使えて、どの型から有料か」を見るのが近道です。

選ぶ前に決めておきたい4つのこと

  1. 何を自動化したいか … 用件の振り分けならシナリオ型で足ります。質問に答えさせたいなら AI 型、人が対応したいなら有人チャットです
  2. 外部サービスのアカウントを作ってよいか … 会話やリードが外部サービスに保存される製品が多くあります。社内規程で外部保存が難しい場合は先に確認が必要です
  3. 問い合わせをどこで管理するか … WordPress の中か、外部の CRM か。既に使っている営業ツールがあるなら、それと連携できるかで決まることもあります
  4. 日本語で運用できるか … 管理画面の日本語訳と、訪問者に見えるウィジェットの文言の両方を確認します

比較表(2026年10月時点)

項目TidioHubSpotWPBotChatbot by gripspace
WordPress.org での名称Tidio – Live Chat & AI ChatbotsHubSpot All-In-One Marketing – Forms, Popups, Live ChatWPBot – AI ChatBot for Live Support, Lead Generation, WordPress Automation, AI ServicesChatbot by gripspace
シナリオ型あり(Flows)あり(if/then の分岐)あり(ボタンで進める形式)あり(主な機能)
AI 回答あり(Lyro)AI エージェントの案内あり(提供範囲は公式で要確認)あり(OpenAI・Gemini などの API を接続)あり(自分の Gemini API キーで、登録 PDF をもとに回答)
有人チャットありありPro 版で案内ありなし
外部アカウント必要(Tidio)必要(HubSpot)不要(AI 利用時は各 AI サービスの API キー)不要(AI 利用時は Gemini API キー)
会話・リードの保存先Tidio のサービス側HubSpot の CRMWordPress 内で動作。チャット履歴のログは Pro 版の機能として案内WordPress 内(grip space 連携時は grip space 側)
無料の範囲無料プランあり。Lyro は最初の50会話まで無料無料で利用可能。上位機能は有料無料版あり。多くの拡張は Pro 版プラグインは無料。grip space 連携はスタータープラン以上
日本語ウィジェットの対応言語は6言語で、日本語は挙がっていないプラグインの日本語翻訳あり応答文は任意の言語に変更可。プラグインの日本語翻訳は未提供プラグインの日本語翻訳あり

※ 横にスクロールできます

掲載内容は2026年10月時点の各社公式ページと WordPress.org の掲載内容にもとづきます。料金・機能・無料の範囲は変更されることがあるため、導入前に各社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。掲載順は優劣を示すものではありません。日本語翻訳の有無は、WordPress.org の翻訳パックの提供状況で判断しています。

各プラグインの特徴

Tidio

有人のライブチャットと、AI エージェント「Lyro」、ビジュアルビルダーで作る自動応答「Flows」をまとめて提供するサービスです。WordPress.org での有効インストール数は7万以上です。

利用には Tidio のアカウントが必要で、プラグインを有効化したあと管理画面から無料アカウントを作ります。無料プランでもライブチャットと Flows が使えますが、公式の料金ページでは、Flows で案内できる訪問者は月100人まで、Lyro の会話は最初の50回まで(毎月の補充なし)とされています。

Messenger や Instagram、メールの問い合わせを1つの受信箱で扱えること、スマートフォンアプリで返信できることが強みです。一方、WordPress.org の説明では、ウィジェットが自動で切り替える言語は英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ポルトガル語の6つで、日本語は含まれていません。

担当者がリアルタイムで対応する窓口を持ちたく、外部サービスへの保存に問題がない場合に向いています。

HubSpot

CRM(顧客管理)を中心にしたマーケティング・営業の総合サービスで、WordPress プラグインからフォーム、ポップアップ、ライブチャット、チャットボットを使えます。WordPress.org での有効インストール数は20万以上です。

利用には HubSpot のアカウントが必要です。公式サイトでは、チャットボットビルダーは無料で使え、if/then の分岐で営業やサポートの問い合わせを振り分けられると案内されています。高度なチャットボット機能は有料の各 Hub に含まれます。AI エージェントについても案内がありますが、無料で使える範囲は公式の料金ページで確認してください。

会話や連絡先は HubSpot の CRM に入るため、問い合わせのあとのメール配信や商談管理までまとめて HubSpot で行いたい場合に向いています。WordPress.org では日本語の翻訳パックが提供されています。

WPBot

WordPress の中で動くチャットボットで、外部サービスのアカウントを作らずに使えます。WordPress.org での有効インストール数は5,000以上です。

ボタンで進めるメニュー形式と、自然な文章を処理する形式の両方に対応しています。無料版でも、FAQ の一覧表示、メールや電話番号の受け取り、OpenRouter や Google Gemini などの AI サービスとの接続が案内されています。AI を使う場合は、各サービスの API キーを自分で用意します。

ライブチャット、Messenger や WhatsApp への対応、チャット履歴のログなどは Pro 版の機能として案内されています。応答の文言は任意の言語に変更できますが、WordPress.org では日本語の翻訳パックは提供されていません。

AI を自分で選んで組み込みたい場合や、WordPress の中で完結させたうえで機能を広げたい場合に向いています。

Chatbot by gripspace(当社開発)

当社が開発しているシナリオ型のチャットボットです。メッセージ、選択肢、テキスト入力、リードフォーム、リンクボタンを組み合わせて会話を作り、選択肢ごとに分岐させます。表示するページの URL、表示のタイミング(すぐ・スクロール後・滞在後・離脱時)、表示期間で出し分けられます。

外部アカウントは不要で、フォームで受け取った問い合わせは WordPress の中に保存され、管理画面の「リード」で会話の流れと一緒に確認できます。管理者通知メールと自動返信メールも送れます。任意で、自分の Gemini API キーを設定すると、登録した PDF の内容だけをもとに答える AI Q&A を追加できます。

当社の grip space と連携すると、表示数・開封数・回答・CV の計測や、都道府県による出し分けができます。連携は grip space のスタータープラン(月額8,800円・税抜)以上で、都道府県の出し分けはスタンダードプラン以上です。プラグイン単体で使う分には費用はかかりません。

Chatbot by gripspace が向かないケース

自社製品なので、合わない場面もはっきり書いておきます。次に当てはまる場合は、ほかのプラグインのほうが適しています。

  • 担当者がリアルタイムで返信する有人チャットが必要な場合 … 機能がありません。Tidio や HubSpot が候補です
  • Messenger や Instagram など、サイト以外の問い合わせもまとめて受けたい場合 … 対応していません
  • AI にサイト全体の内容をもとに答えさせたい場合 … AI Q&A が参照するのは登録した PDF だけです
  • OpenAI など Gemini 以外の AI を使いたい場合 … 対応している AI は Gemini だけです
  • スマートフォンとパソコンで出し分けたい場合 … 端末による出し分けはできません
  • 利用実績の多さを重視する場合 … 公開から日が浅く、ほかの3つに比べて利用者はまだ少ないです

反対に、「用件を聞いて振り分け、連絡先を受け取る」ことが目的で、問い合わせを外部サービスに預けずに WordPress の中で管理したい場合は、手間と費用を最も抑えられる選択肢です。日本語の管理画面で設定できます。

目的別の選び方

やりたいこと候補
担当者がリアルタイムで対応したいTidio、HubSpot
問い合わせを CRM でまとめて管理したいHubSpot
好きな AI を組み込みたいWPBot
外部アカウントなしで、振り分けと問い合わせ受付をしたいChatbot by gripspace、WPBot
問い合わせを WordPress の中に残したいChatbot by gripspace

※ 横にスクロールできます

どれを選ぶ場合も、チャットボットは置いただけでは使われません。最初は「何を聞かれることが多いか」「どこで問い合わせをやめてしまうか」を書き出し、それに答える短い流れを1本作るところから始めるのがおすすめです。

よくある質問

チャットボットを置くとサイトは重くなりますか?

ウィジェットのスクリプトを読み込むため、何もない状態よりは読み込むものが増えます。外部サービス型は外部のスクリプトを読み込みます。表示速度を気にする場合は、表示するページを絞り、必要なページにだけ出す設定にしてください。

プライバシーポリシーの見直しは必要ですか?

必要です。外部サービスに会話や連絡先が保存される場合や、AI のサービスに質問の内容が送られる場合は、その旨をプライバシーポリシーに書いておくのが基本です。WordPress の中だけに保存する場合も、問い合わせで受け取る個人情報の扱いは記載してください。

お問い合わせフォームの代わりになりますか?

完全な代わりにはしないほうが安全です。チャットを使わずに問い合わせたい人もいるので、通常のフォームは残したうえで、チャットボットは入口を増やすものとして置くのがおすすめです。

まとめ

  • チャットボットはシナリオ型・AI 型・有人チャットの3つに分かれる。まず何を自動化したいかを決める
  • 有人チャットや CRM 連携が必要なら Tidio や HubSpot。外部アカウントが必要で、会話はサービス側に保存される
  • AI を自分で選んで組み込みたいなら WPBot
  • 振り分けと問い合わせ受付を、外部に預けず WordPress の中で行いたいなら Chatbot by gripspace
  • 料金や無料の範囲は変わりやすい。導入前に各社の公式ページで確認する

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