Web制作コラム
EC-CUBEのフォームプラグイン比較|標準機能とオーナーズストアの4製品
EC-CUBE 4.2 / 4.3 でお問い合わせフォームを増やしたい・強化したいときの選択肢を、標準機能とオーナーズストアの4製品で比較します(2026年10月時点)。当社製品が向かないケースも書いています。

EC-CUBE には標準でお問い合わせフォームが付いています。多くのショップはそれで足ります。一方で、項目を変えたい、フォームを増やしたい、届いた問い合わせを管理画面で管理したい、迷惑な送信を減らしたいといった要望が出てくると、プラグインを検討することになります。
ただ、「フォームのプラグイン」と一口に言っても、やることは製品ごとにかなり違います。この記事では、標準機能でできることを確認したうえで、EC-CUBE オーナーズストアに掲載されている4製品を、目的別に比較します。
比較対象のうち「Grip Contact Form」は、当サイト(ワプラボ)を運営する ibis studio株式会社が開発・販売している製品です。自社製品を含む比較であることを先にお断りしておきます。他社製品の情報は、2026年10月時点の EC-CUBE オーナーズストアの掲載内容にもとづいています。当社との取引関係はありません。
まず、標準のお問い合わせでできること
EC-CUBE 4.2 の標準のお問い合わせフォームは、次の項目で固定されています。
- お名前(必須)、お名前(カナ)、郵便番号、住所、電話番号
- メールアドレス(必須)、お問い合わせ内容(必須)
入力→確認→完了の画面遷移があり、送信すると問い合わせ者に受付メールが送られます。ショップ側には、基本設定の「問い合わせ専用メールアドレス」に BCC で同じメールが届きます。メールの文面は管理画面のメール設定で変えられます。
一方で、送信内容はデータベースに保存されません。記録はメールだけに残ります。項目を増やす、フォームを複数作るといったことは、テンプレートとプログラムのカスタマイズが必要です。
つまり「お問い合わせが1種類で、項目も今のままでよく、メールで受けられれば十分」なら、プラグインは要りません。足りない部分がどこかで、選ぶ製品が変わります。
比較表(2026年10月時点)
| 製品 | 提供元 | 価格(税込) | 対応バージョン(掲載) | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 標準のお問い合わせ | EC-CUBE 本体 | 本体に含まれる | ― | 項目固定のお問い合わせ1種類 |
| Grip Contact Form | ibis studio(当社) | 15,000円 | 4.2系・4.3系 | 複数フォームの作成・保存・CSV出力 |
| かんたんフォーム作成プラグイン(EC-CUBE4.2-4.3系対応) | ARCHIPELAGO | 33,000円 | 4.2系・4.3系 | 用途に合わせたフォームの作成 |
| お問い合わせ管理 for EC-CUBE4.2/4.3 | U-Mebius | 無料 | 4.2系・4.3系 | 標準お問い合わせの内容を管理画面で確認・返信 |
| お問い合わせ with reCAPTCHA for EC-CUBE4.2 | PineRay | 3,300円 | 4.2系 | 標準お問い合わせに reCAPTCHA v3 を追加 |
※ 横にスクロールできます
価格・対応バージョン・機能は、各製品のオーナーズストア掲載ページにもとづく記載です。更新されることがあるため、導入前に必ず最新の掲載内容を確認してください。
表のとおり、5つは大きく2つに分かれます。新しいフォームを作るもの(Grip Contact Form、かんたんフォーム作成プラグイン)と、標準のお問い合わせを強化するもの(お問い合わせ管理、お問い合わせ with reCAPTCHA)です。
目的別の選び方
標準のお問い合わせを、管理画面で管理したい
「お問い合わせ管理 for EC-CUBE4.2/4.3」(U-Mebius)が候補です。掲載ページによると、標準フォームの送信内容を管理画面で確認し、そこから返信できます。「対応状況」「担当者」「ショップ用メモ」を設定でき、ログイン中の会員からの問い合わせは会員の管理画面へ移動できます。無料で、4.3系にも対応しています。
標準のフォームはそのまま使い、受けたあとの管理だけを足したい場合は、これがいちばん手間がかかりません。
迷惑な送信を減らしたいだけ
「お問い合わせ with reCAPTCHA for EC-CUBE4.2」(PineRay)は、標準のお問い合わせに Google reCAPTCHA v3 を追加して、機械による送信を防ぐ目的の製品です。3,300円(税込)と、比較した中では最も手頃です。
項目の違うフォームを、いくつも作りたい
ここからが Grip Contact Form と、かんたんフォーム作成プラグイン(ARCHIPELAGO)の領域です。
かんたんフォーム作成プラグインは、アンケートやキャンペーンの応募フォームなど、用途に合わせて自由にフォームを組めることを特徴としています。外部のフォームサービスのように別画面に移ったり、ショップのデザインと合わなかったりする点を解消する、という位置づけです。4.2系・4.3系の両方が対応バージョンに入っています。
Grip Contact Form も、管理画面だけでフォームを作り、ショップの中に置く点は同じです。当社製品なので、こちらは実装をもとに具体的に書きます。
Grip Contact Form でできること
| 項目 | 標準のお問い合わせ | Grip Contact Form |
|---|---|---|
| フォームの数 | 1つ | 必要なだけ作れる |
| 項目 | 固定(7項目) | 名前・住所・ファイル・プルダウン・5段階評価など約20種から自由に構成 |
| 確認画面 | あり | フォームごとにオン・オフ |
| 送信内容の保存 | なし(メールのみ) | 管理画面の「問い合わせ一覧」に保存(保存しない設定も可) |
| 対応状況の管理 | なし | 未対応/対応中/対応済 |
| CSV出力 | なし | あり |
| 管理画面からの返信 | なし | なし |
| スパム対策 | なし | reCAPTCHA v2(チェックボックス) |
| ステップ分割 | なし | あり |
| 商品ページでの利用 | ― | 商品コード・商品名を hidden 項目に自動で入れられる |
| 設置方法 | 専用ページ | ショートコード・ブロック・Twig関数。ボタンでポップアップ表示も可 |
※ 横にスクロールできます
ほかに、入力中のエラー表示や半角への自動変換などの入力補助(EFO)、郵便番号からの住所検索、テンプレート(商品別お問い合わせ・メールマガジン登録・採用エントリー・アンケート)があります。
もう一つの違いは、任意の grip space 連携です。連携すると、サイトのアクセスを計測し、フォームの送信をコンバージョンとして記録できます。どの会社がどのページを見てから問い合わせたかを追いたい BtoB のショップ向けの機能です。連携しなくても、フォームの機能はすべて使えます。
Grip Contact Form が向かないケース
自社製品ですが、次の場合はほかの選択肢のほうが合います。
- 標準のお問い合わせはそのままで、管理だけしたい … お問い合わせ管理(無料)のほうが手間も費用もかかりません
- 管理画面から返信までしたい … Grip Contact Form には返信機能がありません。返信はメールソフトで行います
- 会員情報と紐づけて問い合わせを管理したい … Grip Contact Form の送信内容は会員データと紐づきません
- 迷惑な送信だけ止めたい … reCAPTCHA を足すだけの製品のほうが安く済みます
- 会員登録や購入画面の入力項目を増やしたい … どのフォームプラグインも対象外です。本体のカスタマイズか、専用のプラグインが必要です
プラグインを使わずに作る場合
プラグインを使わず、標準のお問い合わせを改造する方法もあります。項目を1つ2つ足すだけなら、フォームの定義とテンプレート、メールの文面に手を入れれば実現できます。
ただし、本体のファイルを直接書き換えると、EC-CUBE をバージョンアップするたびに同じ修正をやり直すことになります。改造するなら、本体には手を入れず、カスタマイズ用の仕組み(独自のプラグインや拡張用のクラス)で作るのが基本です。
目安として、フォームが1つで項目の追加も少なく、今後あまり変えないならカスタマイズ、フォームの数が増える・項目を運用中に変えたい・担当者が自分で直したいならプラグイン、という分け方になります。プラグインなら、項目の変更に制作会社への依頼が要りません。
費用の考え方
プラグインの価格だけで比べると、無料や数千円の製品が安く見えます。ただ、標準のお問い合わせを強化する製品と、フォームを作る製品では、できることが違います。比べるときは、同じ目的を実現するのにかかる費用で比べてください。
- 管理だけ足したい … 無料の「お問い合わせ管理」で済み、作る系のプラグインは過剰です
- フォームを1つ増やしたい … プラグイン代と、制作会社にカスタマイズを頼む費用を比べます
- フォームを複数作り、今後も増やす … 作るたびに外注するより、作る系のプラグインのほうが総額は下がりやすくなります
どのプラグインも、EC-CUBE 本体のバージョンアップのときは対応状況の確認が要ります。提供元が対応版を出しているか、更新の履歴があるかも、選ぶときの材料になります。
導入前に確認したいこと
- 自分の EC-CUBE のバージョン(管理画面のホームなどで確認)と、製品の対応バージョンが合っているか
- 送信内容をどこに残したいか(メールだけでよいか、管理画面に残したいか)
- フォームは1つでよいか、用途ごとに複数要るか
- メールが確実に届く環境か。どのプラグインでも、送信は本体のメール設定に依存します
特に4番目は見落としがちです。フォームを入れ替えても、サーバーのメール設定に問題があれば届きません。導入の前後で、自分のアドレス宛に実際に送って確認してください。
まとめ
標準のお問い合わせで足りるなら、プラグインは要りません。標準のまま管理を足したいなら「お問い合わせ管理」、迷惑な送信だけ防ぎたいなら reCAPTCHA の追加、項目の違うフォームを複数作りたいなら Grip Contact Form か「かんたんフォーム作成プラグイン」が候補です。後者の2つは、対応バージョンと、送信内容の保存・管理のしかたで選んでください。
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