Web制作コラム

CV率の考え方|数字だけではサイトの良し悪しは決まらない

用語・技術解説

CV率が平均より低いから悪いサイト、とは限りません。広告との親和性、そして「入口」と「出口」から読む見方を説明します。

Web解析やマーケティングで、CV率(CVR)という言葉をよく聞きます。コンバージョンレートとも呼ばれる数値です。

計算方法はサイトや会社によって多少違いますが、一般的には次の形です。

計算式

CV率(%) = コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100

コンバージョンが1件で、セッションが100だった場合は1%になります。

CV率はサイトの指標になるか

この数字がサイトの良し悪しを決める指標として扱われることがよくあります。

肌感覚としては、ECではないサービス紹介サイトで1%前後、ECだともう少し高くて3%程度、という認識を持っています。

では、この平均より高ければ良いサイトで、低ければ改修が必要な悪いサイトなのか。指標のひとつであることは間違いありませんが、それだけで判断するのは無理があります。

広告を出すとCV率は下がる

語弊があるかもしれませんが、広告をたくさん出すと、基本的にCV率は落ちます。

広告を増やすと、顕在層(そのサービスや商品を積極的に探している人)だけでなく、潜在層(いま求めているわけではない人)にもリーチします。潜在層はすぐにコンバージョンしないので、分母だけが増えます。

逆に広告をあまり出さない場合、訪れる人は顕在層が中心になるので、CV率は上がる傾向になります。

それでも多くの会社が広告を出すのは、単純にCV数を多く獲得できるからです。率が下がっても、数は増えます。

「広告を始めたらCV率が下がった」のは、多くの場合サイトが悪くなったからではありません。母集団が変わっただけです。

広告との親和性で上下する

そう考えると、CV率の良し悪しは、広告との親和性で決まる部分が大きいことになります。

広告経由でサイトに来る人は、広告のキーワードやバナー、チラシやポスターといった媒体を見て、興味を持ってアクセスしてきます。そのときの「興味」の中身と、サイトの中身が合っていないと、CV率は上がりません。

極端な例を挙げます。3億円を超える新築分譲マンションのWebプロモーションを任されたとします。サイトのデザインとコンテンツは富裕層を意識して作った。ところが広告のバナーは、クリック率が高いからという理由で郊外ファミリー向けにした。

これでは、いくら人を呼び込んでも「思っていたのと違う」となって直帰されます。サイトの出来ではなく、入口と中身のずれです。

「どこから来たのか」を見る

ですから、解析するときは、そのユーザーがどこから来たのかを分けて見る必要があります。

  • 広告・SEO・SNS・リファラといった流入元ごとに分ける
  • 流入元ごとに、PV数・セッション数・直帰率・平均滞在時間・CV数を並べる
  • サイト全体の平均ではなく、経路ごとの差を見る

全体のCV率が1%でも、その内訳が「指名検索から来た人は8%、ディスプレイ広告から来た人は0.1%」であれば、打つ手はまったく違います。全体の数字だけを見ていると、この差が見えません。

CV数が多い=広告効果が高い、ではない

ECのようにWeb上で完結するサイトなら、広告とサイトの親和性を合わせてCV率を上げることが目標になります。

しかしBtoBのサービスのように、CVで完結せず、そこから商談が始まる形のビジネスでは事情が違います。CVはスタート地点なので、CV率より受注率のほうが重要になります。

先ほどの新築分譲マンションの例で言えば、プロモーションは2本柱になります。

  • ポータルサイト … CV数は圧倒的に多いが、成約までは行きにくい
  • 自社サイト … CV数は少ないが、その物件への関心が高い人が多く、成約率が高い

自社サイトのなかでも、入口によって成約率は変わります。沿線の新聞折込や車内広告から来た人は、そのエリアに馴染みがあるので最終的に成約する可能性が高い。逆に、Webで広範囲に広告を出して、まったく別のエリアから来た人は、そこまでの確度はありません。

入口と出口を追う

つまり、CVした人がその後どうなったか――「出口」を追いかけることが重要になります。

入口(どの広告・どの検索から来たか)と、出口(受注に至ったか)。この2つがつながって初めて、本当の広告効果が分かります。サイト単体の数字だけを見ても、そこには届きません。

  1. 流入元ごとにCV数とCV率を出す
  2. CVした案件が受注に至ったかを記録する
  3. 受注した案件が、どの流入元から来たかを遡る
  4. 流入元ごとの「受注単価」で広告予算を配分し直す

ここまでやると、CV率が低い流入元のほうが受注率は高かった、ということも普通に起こります。

サイトを直す前に見ること

CV率が低いという理由でサイトのリニューアルを検討されることがありますが、原因がサイトにあるとは限りません。

  • 流入元ごとの数字を分けて見たか
  • 広告の訴求とサイトの内容がずれていないか
  • フォームまで到達しているのに、送信で落ちていないか
  • そもそも計測が正しく動いているか

最後の項目は意外と多いです。タグが入っていない、二重に入っている、サンクスページが計測されていない。数字を疑う前に、計測を疑ってください。

ワプラボの場合

当社では、サイトの制作時に計測タグの設置と、コンバージョンの計測設定までを行っています。フォーム送信後のサンクスページが正しく計測されているかの確認も含みます。

既存サイトについて、CV率が低い原因を切り分けたいというご相談も承っています。作り直す前に、まず数字の見方から整理させてください。

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